げじげじ日記

私の世界

地獄

毎晩深夜になるとそれはやってくる

地獄、としか形容できない

背中の痛みとつらさ

自分の持っている知識を総動員しても

何の説明もつかない

理解できない

言葉にならないつらさ

受け入れ難い

感情的というよりは

衝動的なものだ

自分の身体が爆発四散するのを

必死に抑え込んでいるような感じ


今日感じていたことには

生活に全く現実感がないということだ

仕事にしろ

買い物にしろ

家事にしろ

遊びにしろ

現実感がまるでない

ショウケースの中の世界で

世界は

全く自分と切り離されて存在している

世界は

自分と無関係にどんどん進行してゆく 

わたしは座って現実が通り過ぎてゆくのを

黙って見ている

無関係

どこかの地点で座り込んでしまった

わたしの心

孤独の極


人間はおそらく思い込みと現実を区別できないから

思い込みを排除しようとすれば

現実感覚そのものを失う

失った後に残るのは

ショウケースのなかの世界

つまり世界の手触りを形作るのは

人間の思い込みであって

現実を直視する努力ではない


これもまた

傷が癒えるために必要なことなのだろうか

そう思わないと

耐えられそうにない

声がない

自分の声が自分のものではない

何も言いたくない

話しなくない

「何も話しなくない」と言うときの声だけが

ほんとうの自分の声で

あとは仕方なく話しているから

自分の声ではなくなる

真実はことばにはならない

真実とは

身体の震えであり

流れる涙であり

汗であり血であり

鼓動であり

叫びである

正しき人々

何もやる気がしない

何もしないでいると

他人はごちゃごちゃ言い始める

こちらが調子良くやってた頃は何も言わないでいて

弱った頃に好き勝手に言いに来る

ようは今まで言いたかったが言えなかったことを

ここぞとばかりに言いに来る

弱った人間を見つけてしばきにくる糞どもが

別の人間についての恨みを

こちらにぶつけてくる奴さえいる

強い人間の不正には目をつぶり

弱った人間を徹底的にいたぶるのだ

なんて醜い魂だろう

何が面白いのか

ああしろこうしろと

指図をしやがる

善意のアドバイスのつもりだろうが

自分の下に置こう

自分に従わせようという意図が丸見え

弱った人間を

自分の正しさを証明するための

材料にしようとする

常に自分が集団の中で「正しい側」に居ないと

いけないのか

正しいこと、なんてどうでもいい

真実と正しいことは異なる

流れる血と汗と涙は真実だが

血と汗と涙が正しいことかどうかは

分からない

どうでもいい

正しき人々よ

あなた方の言うことは全て正しいが

真実を含んでいない

だから、おもしろくない

わかったか

「わたしが正しい」

以外のことばを話してみろ

ばかものめ

眠り

最近あまりよく眠れない

朝目覚めるとすごく気分が憂鬱だ

憂鬱な気分のまま一日を過ごす

身体は動いていても

心は座り込んでしまって立たない

横たわって2時間ほど昼寝をすると少し気分がよくなった

夜中よりも眠りが深い気がする

釣りにいった

キスを2匹だけ釣った

日が落ちてきたので

7時前に片付けて帰った

9月になってから夕方からは涼しい

帰り道

海沿いの農道で

バイクをのろのろと走らせていると

もの悲しくなってきた

良くない

何が良くないのか分からないが

何かが嫌だ

ここにこうしていたくない

のんびり、ゆったりとした

海の近くのこの場所で

のんびりして暮らすことが嫌だ

またわたしは思い返す

世の中のすべてのものが意味を失って

わたしは抜け殻になった

価値(value)のあるものはなく

好きな人もなくなり

面白いものもなくなった

やりたいこともなくなった

ただ生きていることだけが善で

なぜそれが善かというと

わたしが生きていなければ善も悪もあるまいから

そうなるというだけのこと

抜け殻になったようなこの心と身体が嫌だ

背中が痛くて気持ちが悪い

良いことや好きなことはなにもないが

悪いことや嫌なことはたくさんある

今は良くなる、ということが分からない

何をしても変わらないか

悪くなる

それをみて更に落ちこむ

毎日毎日

その繰り返し

もはや何かが良くなるということを

信じていない

自然にほうっておけば

どんどん悪くなる

頑張っても良くならない

今日よりも明日は良くなるということが

信じられない

身体は日に日に衰える

心は固くなってゆく

明日は今日よりよくなるんだと

信じる力もない

ただただ眠って

力を蓄えたいが

眠れない

行き止まりだ

溜息しか出ない

眠りは唯一の希望で

毎日

今夜こそはよく眠れるかもしれないと思うが

結果あまり眠れない

眠りはギャンブルではないのに

期待している

野原

わたしは倒れた

うずくまった

もう、いい

ここに置いていってくれ

独りにさせてくれ

背後に忍びよる車

車はわたしを通り過ぎていった


ああ

何もかも手放したら

世界は鮮やかにみえる

なんだ

レースをしていたときは

土埃でよくみえなかったが

レーンの外には

野原が広がっているじゃないか

わたしはちらりと愛しい人々の背中をみたが

彼らはだんだん影となり

掛け声も消えていった

わたしは地面残された足跡をみて

目の前に広がる野原を眺めて

溜息をついた

ああ

こんなつまらないレース

一緒に抜け出してしまおうよ

といって

残ってくれる人がいればよかったのに

わたしは足跡を指でなぞって

匂いをかいだが

匂いはもうしなかった


野原では

別のレースが行われているのだろうか?

土の上に座り込んで

わたしはおもった

生活

生活は日々保たれる

生活して自分自身を保つ

体調と清潔と収入を保つ

一人で、または何人かで


生活はふつう定住しておこなう

規則正しいリズムで

生活は進行してゆく

そこには一種の満足感のようなものがある

炊事洗濯掃除を全て外部に委託して

生活するひともいるが

どんな形であれ

淡々と一定のリズムで進行してゆく時間

それが生活である


天変地異などの外部環境の変化がなければ

そのまま何年でも同じリズムで生きてゆける

未来の不安はない

それが生活といえる

未来に不安があるということは

生活の不足を意味する

生活に不足がなくなると

余裕が生まれ

生活に加えて何かをすることができる

それは生活のためのものではなく

無駄なものである


生活に余裕ができても

わたしには何もやりたいことはない

だから生活以外の時間は

寝るしかない

世界を理解したいとは思うが

別に知りたくないことを知ろうと思わない

知りたくないことは数多く

知りたいことは殆どない

世界のことは大部分理解ができない

知りたいことがないのは

おそらく触れる情報が少ないからだろう

しかし

それでしばらくは良い気がするので

特に態度を変えたりはしない