げじげじ日記

私の世界

野原

わたしは倒れた

うずくまった

もう、いい

ここに置いていってくれ

独りにさせてくれ

背後に忍びよる車

車はわたしを通り過ぎていった


ああ

何もかも手放したら

世界は鮮やかにみえる

なんだ

レースをしていたときは

土埃でよくみえなかったが

レーンの外には

野原が広がっているじゃないか

わたしはちらりと愛しい人々の背中をみたが

彼らはだんだん影となり

掛け声も消えていった

わたしは地面残された足跡をみて

目の前に広がる野原を眺めて

溜息をついた

ああ

こんなつまらないレース

一緒に抜け出してしまおうよ

といって

残ってくれる人がいればよかったのに

わたしは足跡を指でなぞって

匂いをかいだが

匂いはもうしなかった


野原では

別のレースが行われているのだろうか?

土の上に座り込んで

わたしはおもった