虚無
虚無がある。全てが虚無の中にある。
その虚無を埋めるために、生の充実で埋めるために、何かをする。
酒をのむ、博打をする、人と会う、走る、山に登る…
しかし、虚無は決して満たされることはない。
虚無は消えることはない。
虚無の中で生きるとき、そのしんとした空間でしか受け取ることのできない揺らぎがある。
人は死ぬ。充実としての人は死ぬ。
だが、揺らぎとしての人は決して死なない。
揺らぎは伝わってどこまでも残る。
決して消えることはない。
虚無を満たそうとするな。
虚無の中から生まれる揺らぎを見つめよ。