雨の中の涙のように
今日は暖かい日だった。
温泉に行こうかと思ったら雨が降ってきたので、やめて眠ることにした。
布団の中でゴロゴロしながら、大学生だった頃を思い返していた。
殆ど退屈していた印象しかないのだが、よくよく考えると色んなことがあった。
一度だけしか話さなかったような同級生、喧嘩別れした友人、自然消滅した彼女、就職して見なくなった先輩、色々やったアルバイト…
そしてその後の2年間の貧乏生活。
全て川の水のように流れ去って遠くにいってしまった。
あれは夢だったのではないか?と今まさに目覚めたかのように思う。
良い思い出も嫌な思い出も、起こったことも結局起こらなかったことも、全ては夢であったように感ずる。
これが過去との決別というものなのだろうか。
妙にあっさりとしている。
過去の嫌な記憶でぐわわーっ!となっている時には、過去の記憶はまさにここにあって現実のように感ずる。
だが実際には夢のようなものなのかも知れない。
そしていずれ消えてゆく。雨の中の、涙のように。